自動化とAIは監査と監査人の役割をどのように変えるか
データドリブン経営のように、最近「データドリブン」という言葉をよく目にします。背景には、データとデジタル技術を駆使してビジネスモデルを変革しないと競争上の優位性を維持できなくなるという危機感があります。
CPA Canada と AICPAでも、2020年に「データドリブン監査:自動化とAIが監査と監査人の役割をどのように変えるか」というタイトルのレポートを公表しています。そこには財務諸表監査の近未来予想図が描かれています。原文はこちら
はじめに重要なキーワードとして次の3つを挙げています。
・自動化(Automation)
・データ分析(Analytics)
・人工知能(AI)
多少の自分なりの解釈も入れて超・要約すると、
メリットや財務諸表監査の変化として
・新しいテクノロジーを組み合わせることで、膨大な量のデータを分析して、人間にはすぐには分からない洞察やパターンが特定できるようになる。
・AIが進化することによって、監査業務の品質を向上させ、より多くの監査人やクライアントに付加価値を提供できるようになる。
・将来の監査では、反復性が高くルールベースのタスクに人が関与することはほとんどなくなり、AIツールが抽出したリスクの高いところに集中することになる。
・監査レポートのリリースまでの期間が短くなり、常時監査やリアルタイム監査が一般的になる可能性がある。
・AIなどの新しいテクノロジーは、コンピュータと同じでイネーブラーでしかなく、AIが監査人に取って変わることはない。そうではなく監査と監査人の役割を変えることになる。
一方で、課題や考慮事項として
・生成される情報の正確性は、データの品質に焦点を当てた手続きに依存する。AIに対する信頼性の欠如はAIツールを採用する上での最大の課題。特に説明性の欠如は「ブラックボックスの問題」としても知られている。
・一般に信じられていることとは異なり、現在のAIツールは万能ではない。たとえば、異常検出用に設計されたAIツールが、マネーロンダリングに関連するトランザクションを異常として識別できるとは限らない。
求められるスキルセットの変更
・監査や保証の専門家は、AI、マシンラーニング、統計さらにはビッグデータの分析等の知識が必要となり、監査チームはより学際的となる。
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英語の文献をGoogle翻訳の助けも借りながら日本語にして、それを要約するというのは今回が初めての体験で、貴重な機会となりました。
2022-04-23
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