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脱炭素経営Expo 目立っていたのはGHG排出量算定(見える化)支援

 幕張メッセで8月31日から3日間にわたって開催された第2回脱炭素経営Expoに行ってきました。GHG(温室効果ガス)排出量の算定を支援する、設立間もない企業が多く出展していました。

 来年度から有価証券報告書に非財務情報の開示が義務付けられることになっており、気候変動対応についても開示が求められます。財務会計のレポートと同じで、エクセルや自社単独でソフトを開発し対応するのは生産的ではありません。開示を義務付けられた企業が一斉に動き出すのですから、展示会場が活況を呈するのも道理です。

 気候変動対応開示義務化の影響を受けるのは有価証券報告書を提出する上場企業だけにとどまりません。TCFDの区分によるScope3はバリューチェーン全体で発生する排出量なので、プライム上場企業から仕事を受託している場合、一次データ収集の協力を求められたり、実際に排出量削減の施策を求められたりする可能性があります。

 ちなみに、Scope1はすべての直接的なGHG排出量、Scope2は電気やガス等の購入による間接的なGHG排出量です(下図参照)。Scope3が全体の8割ほどを占めると言われる建設業などでは、協力企業にも協力を要請するであろうことは容易に想像できます。委託元がどのような目標を立て、それをどう実現しようとしているのかは、受託企業は生き残り戦略として関心を持っておく必要があると思います。

 気候変動対応の国際的な基準は現在ISSBで検討が進められており、年内にも策定が見込まれています。今年から来年にかけて、気候変動対応開示は大きな節目を迎えようとしています。

図 環境省公表資料「サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ」より

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3: Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

2022-09-02