TCFDサミット(オンライン)に参加して
経済産業省主催のTCFDサミット2022をオンラインで視聴しました。
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ISSB議長のエマニエル・ファベール氏をはじめ気候変動対応の分野では著名な人達が数多く登壇するので、開催を楽しみにしていました。
特に前イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏は2015年に、気候変動を「ホライゾン(時間軸)の悲劇」と呼び、世界経済と金融の安定に対する大きなリスクであると警鐘を鳴らし、現在の気候変動対応開示の道筋を作ったとも言える人です。
氏が提唱するネットゼロを目指す金融機関の有志連合「グラスゴー金融同盟(GFANZ)」から、一部米銀大手が脱炭素基準の厳しさや訴訟リスクなどを理由に離脱を示唆しているとの報道が最近あったので、今回どのような発言をするのか注目していました。Opening Remarksということもあり、日本におけるTCFDを活用した開示への取組みの評価や今後の期待が話題の中心で、国連が主導する「Race To Zero」を巡る最近の動き等にはあまり触れられていませんでした。
TCFDをベースに具体的な開示項目を定めた基準作りを進めているISSBのエマニエル・ファベール議長は、2023年の早い段階までに気候変動の基準を最終化させると話していました。
また、金融機関の方が、金融機関にとってのScope3は融資先の顧客が対象で、今後は目標達成に向けて協力を求めていくことになる(ニュアンスは多少違っているかもしれませんが)と発言された点も印象に残りました。ESG対応融資にとどまらず、一般の融資にまで広がってくると影響は大きいと思います。
今回は、登壇者の8割(パネルディスカッションは二つとも全員)が英語で話されるという国内では珍しい形式の会議でした。英語だと、組織や用語の概要が分かっていないと、何の話が進行しているのかも掴めなくなります。逆にキーワードさえ分かっていればある程度話についていくことができるということをあらためて実感しました。まだまだ初めて聞く組織やあいまいな知識がたくさんあったので、あらためてESG全般の知識ついて学びなおそうと思いました。ちょうどESGアナリストのオンライン講座を申し込んでいたので、これを活用してしっかりTCFD関連を含むESG全般について知識を深めたいと思います。
2022-10-06
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