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建設業にとっての「2025年の崖」とは |
<2025年の崖とは>
経済産業省(以下、経産省)は、2018年に「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を公表して、老朽(レガシー)システムが足かせとなり企業のグローバル競争力が低下することに警鐘を鳴らしました。

出典:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
<建設業界特有の問題>
老朽(レガシー)システムを抱える割合が、他の産業と比べ格段に低い建築・土木ではいくぶん様相が異なるかもしれません。しかしながら建設業界は特有の問題を抱えています。
厚生労働省の雇用政策研究会が2019年7月にまとめた報告書によると、「鉱業・建設業」の2017年の就業者数は493万人。それが2025年には439万人~452万人まで減少すると予測しています。2017年から2025年までの減少率をみると全産業平均が最大6.9%減なのに対し、鉱業・建設業は同11.0%減と試算しています。
特に技能者の不足は深刻です。日本建設業連合会が発表したレポートでは、2025年度時点で必要とされる技能者の数は328~350万人としているのに対し、2014年度時点の314万人から高齢者の引退等で216万人まで減少すると予測しています。

<DXへの取組みは不可避>
新規入職者を呼び込むためには長時間労働等を解消し、魅力ある職場にする必要があります。そのためにはデジタルトランスフォーメーション(DX)への積極的な取組みが不可避と言えます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、文字通りデジタルを用いて変革を起こしていくことです。建設業は、受注から竣工、検査、引き渡しまで多くの人の手がかかります。建設業界では作業を効率化する革新的な技術が次々と登場しています。例えば、現場と管理者をつなぐ技術です。移動コストの削減や効率的なデータの収集・管理、熟練者スキルのスピーディな伝承に途を開きます。
誰もがスマートフォンやタブレットを手にしている今日、AIやIoT、ロボットといった新しいテクノロジーを駆使して、建設現場に生産革命を起こす大きなチャンスと捉えたいものです。
<実用化が進む最新の技術>
(調査・設計)
・ドローンによる測量
・スマートフォンを利用した測量や地質図の作成
・AIを利用した建築の設計
・AIを利用した構造・設備などの整合性チェック
・BIM(3次元デジタルモデル)の活用(設計、積算、施工から維持管理まで)
(施工)
・ICT建機による施工の省人化
・パワーアシストスーツによる労働の軽減
・ロボットによる熟練技能者技能の代替
・3Dプリンターによる建築
(施工管理)
・BIMを利用した出来高管理
・センサーやIoTを利用した施工管理
・メガネ型デバイスを利用した施工管理
・施工データ共有プラットフォーム
・AIを利用した現場写真の整理
・VR(仮想現実)・AR(拡張現実)を利用した施工管理・検査
最新の技術情報収集には、国土交通省i-ConstructionのHPが参考になると思います。
2020-03-16
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