おすすめの一冊「企業価値経営 第2版」 |
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図書館で予約していた「企業価値経営第2版(著者 伊藤 邦雄)」をようやく借りることができました。本の分厚さに圧倒されましたが、はしがきによると、この厚さは経営が複雑化し難度も高くなっていることの著者の伊藤氏のメッセージでもあるそうです。 返却期限までに全部を読むことはできそうにないので、今回は第3部だけを読むことにしました。第3部は企業価値創造の課題をどのようなプロセスで解決していったかを小説仕立てで描いています。取っつきやすくはありますが、十分に理解するには財務会計などの知識をしっかりと学んでおく必要があります。 公表のたびに大きな反響のある伊藤レポート(参考2参照)をより深く理解するのに本書は有益だと思います。これまで伊藤氏の講演は何度も聴講しています。私が参加している研究会では当該レポートが公表される都度、参加者で読み合わせを行い意見交換してきました。まだ全部は読んでいませんが、本書が企業価値創造を考える上で最良の一冊であることは間違いありません。私も近い内に残りの部分も読むようにしたいと思います。 ![]() 【参考1:ブックカバーのそでに書かれている本書の紹介】「企業価値経営」の全体像を解説企業価値を評価する手法や概念が、経営という実践の場でどのような意義を持ち、どのように活用されているのかをわかりやすく解説することを重視しています。そのためにも、日本企業が直面している課題や現実にもとづいて理解できるよう、できるだけ豊富な国内事例を取り上げることを目指しています。基本から応用、実践までを理解できる3部構成①分析編では、会計数値などを駆使しながら企業の競争力や企業行動を解析するファンダメンタル分析に主眼を置いています。 ②評価編では、ファイナンスの理論やツールを活用して企業価値を算定します。難解に見える手法も、その本質部分の考え方は驚くほどシンプルです。 ③創造編では、「ある出来事に直面した企業が、本書のフレームワークを使っていかに課題を解決していくか」を1つの経営ストーリーとして追いかけています。【参考2:伊藤レポートについて】伊藤レポート 2014年8月に経済産業省が公表した報告書報告書作成の際に座長を務めたことから、通称「伊藤レポート」と呼ばれる。企業価値を高めていくための課題を分析し、提言を行っている。ROEの目標水準を8%と掲げたことで、実務界から大きな反響があった。また、2017年10月にはアップデート版にあたる「伊藤レポート2.0」が公開された人材版伊藤レポート2.0 2022年5月に経済産業省が発表人材版伊藤レポートは経済産業省が開催した「持続的な企業価値向上と人的資本に関する研究会」をもとに、2020年9月に発表された最終報告書の通称。人材版伊藤レポート2.0は、「人材版伊藤レポート」を改定する形で作られた。各企業が人的資本経営という変革を具体化し、実践に移していくための指針を示した。伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)2022年8月31日に経済産業省から発表された最新のレポート。SXとはサステナビリティ・トランスフォーメーションの略で、持続可能性を重視した変革をさす。本レポートでは、SXの実現に必要な次に示す3つの取り組みについて具体的に取り上げている。・社会のサステナビリティを踏まえた目指す姿の明確化 ・目指す姿に基づく長期価値創造を実現するための戦略の構築 ・長期価値創造を実効的に推進するためのKPI・ガバナンスと、実質的な対話を通じた更なる磨き上げ SX版伊藤レポートともに、「価値協創ガイダンス2.0」の策定についても発表されている。 詳しくは、経済産業省のリーリース資料で 2023-08-16 |