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英国先進事例に学ぶ(その1):BREEAMとは?

 ロンドンの新築やリノベーション物件の紹介記事では、BREEAM Excellentや、BREEAM Outstanding等の表示を見かけます。たとえば今年6月に、三菱地所がロンドンに完成させた8BishopsgateではBREEAM Outstandingを認証取得予定とされています。
 BREEAMは、英国のBRE(Building Research Establishment)が策定し運用する建物の環境性能を評価する制度です。組織とシステムのEAM(Environmental Assessment Method )の頭文字をあわせてBREEAMと呼ばれており、 1990年に運用が始まりました。

 評価は次の5段階で行われます。
BREEAM rating %Score
Outstanding とても素晴らしい ≧85
Excellent 素晴らしい ≧70
Very Good とても良い ≧55
Good 良い ≧45
Pass 合格 ≧30

 BREEAMの評価基準  
Section Assessment issues
1 管理 ライフサイクルコストなどプロジェクトの持続可能性管理体制や計画に関する基準
2 健康と快適性 視覚・聴覚へのやさしさ、室内空気、熱など居住者や利用者の健康と快適性に関する基準
3 エネルギー エネルギーの使用削減、再生可能エネルギーの活用などエネルギー効率に関する基準
4 輸送 アクセス、公共交通機関、自転車施設など持続可能な交通手段の促進に関する基準
5 水の使用量、モニタリング、漏水検知、効率的設備などに関する基準
6 材料 責任ある調達や、ライフサイクルへの影響を低減する材料の調達に関する基準
7 廃棄物 気候変動への対応も見据えた、建物の建設及び利用から生じる廃棄物の削減に関する基準
8 土地利用と生態系 敷地の選定、生態系の保護、緑地の保全など、サステナブルな土地利用に関する基準
9 汚染 冷媒の影響、NOx排出量、夜間の光害の軽減、騒音公害の軽減などに関する基準
10 革新性 基準を超える模範的なパフォーマンスや革新性が認められる場合
BREEAM International New Construction Version 6をもとに作成
 

 各カテゴリーの関連基準項目にポイントが割り当てられており、獲得したポイントの総数で評価が行われます。最高のBREEAM Outstandingと評価されるのは全体の1%程度だと言われています。

2023-10-12