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英国先進事例に学ぶ(その2):EPC(Energy Performance Certificates)の概要とその影響について

EPCとは?

 Energy Performance Certificates (EPC)は、建物のエネルギー効率と環境への影響を評価し、建物の所有者や利用者にエネルギー効率の向上に関する情報を提供することを目的とした文書です。
 英国(EnglandおよびWales)では2018年から不動産を
・建設
・分譲
・賃貸
する場合には、EPCを取得することが義務付けられています。
 評価は政府によって認定を受けた団体によって実施され、建築物はエネルギー効率性について最高のA(非居住用不動産の場合はA+)から最低のGまでで評価され、10 年間有効です。

EPCの見つけ方と表示内容

 EPCの検索サイトが政府のHPに用意されており、郵便番号を入力することによって目的不動産の評価を探すことが可能です。

 居住用不動産のEPC表示事例
 
 
 

 EPC の表示にはEnergy rating以外にも次のような情報が含まれます。
・不動産のエネルギー使用量と一般的なエネルギーコスト
・エネルギー使用量を削減し、お金を節約する方法に関する推奨事項

EPCが不動産市場に与える影響について

 居住用不動産の場合、2018年からE以上の評価でないと賃貸の用に供することができません。商業用不動産も同様で、2023年までに改修などによってエネルギー効率性を改善させて評価を上げることができない場合、それらのビルはオフィス市場から退場を余儀なくされることになります。
 現在、ロンドンにおけるオフィスストックのうち、10%程度のオフィスビルがFランク以下とされており、築年の浅いプライムオフィスに人気が集中する要因の一つになっています。

2023-10-30